令和7年度 卒業式

2026年03月01日

3月1日、早春の青空のもと、令和7年度卒業証書授与式を執り行いました。

保護者のみなさま、ご来賓の方々、教職員、そして在校生の温かい祝福を受けながら、新たな希望を胸に洋々とそれぞれの未来へ向かって百二十余名の生徒たちが大田高校を巣立っていきました。

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△卒業証書授与 普通科代表

 

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△卒業証書授与 理数科代表

   

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△在校生 送辞

 

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△卒業生 答辞

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  卒業生たちが

  新しい世界へ 

  力強く 踏み出しました

   大丈夫!いつも応援しているよ

全体の準備、片付けも含め、良い卒業式になるよう、1,2年生はさまざまな場面で活躍してくれました。

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△駐車場係:野球部

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△来賓接待:茶道部

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△受付:クラス代表

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△吹奏楽部の演奏

〇〇 校長 式辞 〇〇

世界中を歓喜の渦に巻き込んだミラノ・コルティナ冬季オリンピック。

その興奮からようやく落ち着きを取り戻そうとしている今日この頃、気が付けば周囲はすっかり少し早い春の訪れを感じられるようになりました。

ただ今、卒業証書を受け取った普通科84名、理数科38名の皆さん。ご卒業おめでとう。

この良き日にご臨席を賜りました多くのご来賓の皆様に感謝申し上げますとともに、保護者・ご家族の皆様、在校生、そして教職員一同、皆さんの晴れの姿をともに心から祝福致します。

さて唐突ではありますが、皆さんに簡単な足し算の問題を出します。

今の自分の年齢に「75」を足してください。

その数字は、西暦2101年の皆さんの年齢。すなわち次の22世紀を迎えた時の皆さんの年齢です。

昨今、「人生百年時代」という言葉をよく耳にします。厚生労働省の発表によると、2024年現在の日本人の平均寿命は男性約81歳、女性約87歳。平均寿命は今後も伸びることが予想されていますから、皆さんは22世紀に生きる人。22世紀をその目でみて、肌で感じることができる人が多くいるはずです。

少なくとも皆さんが40から50歳代のころ、すなわち後ろにおられる保護者の方々ぐらいの年齢のときには、今世紀は後半を迎えます。これから皆さん一人一人がそれぞれの場所、それぞれの分野で活躍するその営みが、健康で、安全で、平和な次の22世紀の基礎・土台となる。そういう宿命が皆さんにはあります。

皆さんは2000年代、21世紀の前半に生まれました。

例えば、今から300年前の1700年代、18世紀前半にイギリスに生まれた若者たちは、その後数々の文明の利器を発明し、産業革命の原動力となり、次の19世紀の世界の近代化のもとをつくりました。

今から200年前の1800年代前半に日本で生まれた若者たちによる、世の中を変えようという動きは、明治維新となり、20世紀に先進国の仲間入りをするこの国の成長につながりました。

今から100年前の1900年代前半に生まれた若者は、二度の不幸な戦争を経て、その反省を活かし、20世紀後半から現在の21世紀に至る世界の繁栄をけん引しました。ちょうど100年前ごろ、この大田高校の前身の大田農学校で学び、のちにプロパンガスの便利さを広め、日常生活に革命を起こした、皆さんの大先輩岩谷直治氏もその一人です。

それぞれの世紀の前半に生まれた若者が、決め、語り、動いた成果は、次の世紀を切り拓く源となり、安全で、健康で、豊かな時代を目指し、それを実現してきました。

その道のりは、途方もなく、また他人事のように思えるかもしれません。

3年前の入学式で、当時、世の中に登場したばかりのAIツール「ChatGTP(チャッピー)」を使った入学式の式辞を紹介しました。それは、まだ文章も、内容もとても稚拙で違和感さえありました。しかしたった3年で、今やAIは検索、文章作成だけでなく、AIを使った画像や動画などのコンテンツ作成が日常化し、大量のデータ分析やプログラミングさえもAIに頼るようになってきました。3年後も予想できない今、「VUCAの時代」と呼ばれる予測不可能な変貌を遂げる世界。終わらない国際紛争、新しい病気、地球環境問題、そして未曽有の人口減少社会、国内外、地域を取り巻く様々な課題が山積する中、先の見えない世の中に圧倒され、就職先、進学先で怯んでしまうことがあるかもしれません。

しかしこの3年間で、皆さんもまた大きな成長を遂げました。一人一台端末を使ったICT学習、学びあい教えあった協調学習などを通し教科・科目の学習に真摯に取り組んできました。また地域の方々とともに学んだ地域課題解決学習を通して、地域の中で学ぶ姿勢を身に着けました。学園祭、球技大会などの学校行事、部活動の大会やコンクールなど、夢や目標の実現に向かい、仲間との友情を培いながら、懸命に努力し成果を残してきました。振り返れば3年前にできなかったことができるようになったことがたくさんあるはずです。それこそAIにはできない、自ら「決める・語る・動く」ことによる成果そのものではないでしょうか。

入学式で私は、「大田高校での学びこそが皆さんの未来への道しるべ」とお話ししました。それを真摯に受け止め、今、立派に卒業するその姿を実に頼もしく思います。きっと皆さん一人一人のこれからの歩みが、次の世紀への原動力となる。そう信じています。

保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。大田高校での3年間の高校生活を通じ、お子様は心身ともにたくましく、頼もしく成長されました。どうかお子様の輝ける前途を温かく見守り、時には励まし、これからも支えていただきますようにお願いいたします。

ご来賓の皆様、そして地域の皆様には、本校の教育活動推進のために、温かいご支援とご協力を賜りましたことをこの場をお借りして、教職員を代表して心から厚くお礼を申し上げます。

今後も引き続き、お力添えのほど、よろしくお願いいたします。

大田高校から旅立つ122名の卒業生の皆さん一人一人が、それぞれの世界、それぞれの場所で自分らしい生き方を見つけ、「地域とともに未来を切り拓く」存在として“挑戦”を続け、その前途に陽光が差し続けることを願っています。

最後に、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの選手たちが残した言葉の中で最も印象に残っている、アメリカのスキー選手リンゼイ・ボンさんの言葉をはなむけの言葉とし、式辞といたします。

「The only failure in life is not trying.」

「人生で唯一の失敗は、挑戦しないこと。」

 

令和8年3月1日

島根県立大田高等学校   

校長 阿部 志朗   

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