令和7年度入学式~106名のみなさん入学おめでとう!~
2025年04月09日
4月9日(水)、この日、入学した106名の1年生が、夢と希望いっぱいに、新しいスタートを切りました。
1人1人の表情は、緊張の様子もみられましたが、これからの高校生活への期待で生き生きと輝いていました。
2,3年生、教職員一同、みなさんの入学を心待ちにしていました。
大田高校がみなさんにとって素晴らしい学校になりますように!一緒に頑張っていきましょう!
▲入学者宣誓
▲在校生歓迎のことば・新入生代表あいさつ
▲吹奏楽部の演奏も式に花を添えてくれました
***校長式辞***
学校の周りを鮮やかに咲き誇った桜の木々の、その花吹雪が皆さんの入学を暖かく歓迎しているように思われます。
この佳き日に、本校卒業生会 瓶陵会会長 臼井 泉 様、本校PTA会長 恒松 勝 様 はじめご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、大田高等学校入学式を挙行できますことを高い席からではありますが心からお礼申し上げます。
本日入学を許可した106名の新入生の皆さん、入学おめでとう。私たち大田高校教職員一同、在校生とともに皆さんを心から歓迎いたします。 大田高校は、大正10年(1921年)に県内4番目の旧制中学校として開校し、創立より100年以上の月日を重ねてきました。戦後新制高校になってからは「ダイコウ」の名で親しまれ、これまで2万7千人を越える卒業生が国内外で活躍されています。現在は教育の全体像であるグランドデザインを定め、「地域とともに未来を切り拓く生徒を育てる」という学校像に向かい、様々な教育活動を展開しています。 新入生の皆さんは、長く先輩たちが作り上げて来られた伝統と、新たな時代のグランドデザインのもとで、後ろで皆さんを見つめる2、3年生とともに思う存分ダイコウライフを繰り広げて欲しいと思います。
高校での未知なる生活のスタート、新しい友人・先生方との出会いに、期待と不安で胸がいっぱい、きっとそんな皆さんに2つの先人の言葉を紹介します。まずは人との出会いについてこんな言葉があります。
「世の中、人との出会いが非常に大切です。すべての人が自分の先生だと思えば、謙虚な気持ちになれますし、付き合いを通して視野を広くする努力が、人間を大きくしてくれます。」
これは、大田高校の前身である大田農学校を卒業し、努力を重ねてプロパンガスや様々なガスの販売・流通・開発研究を行う大企業、岩谷産業を創業した岩谷直治氏の言葉です。高校生活では、失敗してくじけそうになったり、思い悩むこともあるかもしれません。また、将来皆さんを待ち受けるのは先行き不透明な「不確実性の時代」ともいわれています。しかし、この大田高校での出会いを大切にして、先生方だけでなく、保護者の皆さん、地域の皆さん、仲間や先輩にも身の回りに尊敬できる「師(先生)」を多く見つけ、視野を広げて大きく成長していきましょう。
もう一つは、高校での学びの姿勢について関連した言葉です。
「歩け、歩け、続けることの大切さ」
これは、江戸時代に全国を自らの足で測量し、正確な日本地図を作成した伊能忠敬の言葉です。伊能忠敬が測量の旅を始めたのは今から200年以上前の西暦1800年。伊能56才のときといいます。ほぼ私と同じ年齢からのスタートです。彼と彼の測量隊の旅は10回を数え、そのうち大田の地には3回。伊能忠敬本人は大田に2度訪れています。1度目は1806年、海岸沿いに浜田から大社に向かって。2度目は1811年、内陸を浜田から江の川を渡り大森へ、そして銀山街道を広島方面に向かって今の大田市内の道を測量した記録が残っています。 彼の言葉「歩け、歩け」には、高校での学びでも大事な、実際に自分で足を運び、自分の目で見て、自分で確かめることの重要さ、そして常に前に向かって「続けることの大切さ」、すなわち「継続は力なり」ということを私たちに教えてくれています。めまぐるしく移り変わる周囲の情報に流されず、自分自身で確かめることはとても大切です。高校生活では、ときに悩み立ち止まることもあるかもしれませんが、伊能忠敬の一歩一歩の積み重ねが日本地図を作る偉業につながったように、皆さんも学習でも部活動でも着実に一歩一歩継続して目標に向かって進んで行きましょう。
さて、今年入学した皆さんは、これまでの新入生と少し異なることがあります。それは、島根県の新しい高校入試制度のもとでの合格者であることです。新たに始まった特色選抜で大田高校への思いを語って合格した皆さん。3月まで粘り強く頑張って一般選抜で合格した皆さん。106名の皆さん全員に共通することがあります、それは大田高校で学びたい、そこで夢をかなえたいという意思、意欲の強さです。そのことに一人一人が自信と誇りを持ち、この学び舎で3年間を過ごしてください。きっと皆さんの未来は明るく拓かれます。
保護者の皆様、あらためてお子様のご入学おめでとうございます。お子様をはぐくみ成長を支援していくためには、ご家庭と学校が密に連携し協力することが大切です。どうか、大田高校の教育方針・グランドデザインにご理解を賜り、お子様が成長していく過程を温かく見守り、励ましの言葉をかけていただきたいと思います。学校もご家庭や地域の皆様にご理解いただけるよう、開かれた学校づくりを推進して参りたいと思います。ご協力とご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、本日、晴れて入学式を迎えられた新入生の皆さんの3年間がそれぞれの夢の実現に向けて充実したものとなること、そして「地域とともに未来を切り拓く」存在となることを心から期待して、式辞といたします。
令和7年4月9日
島根県立大田高等学校
校長 阿部 志朗