令和6年度 入学式

2024年04月09日

数日前に満開を迎えた大田高校の桜。

4月9日(火)は花冷えの入学式となりましたが、この日、新しいスタートを切った新入生113名の皆さんの面持ちは、元気いっぱい、希望いっぱい、緊張の中にも生き生きと輝いた笑顔が見られました。

2,3年生、教職員一同、みなさんのご入学を心待ちにしていました。一緒に頑張っていきましょう!

新入生宣誓 

▲入学者宣誓

在校生歓迎のことば

▲在校生歓迎のことば・新入生代表あいさつ 

吹部

▲入場は吹奏楽部の生伴奏が盛り上げます

 桜2 桜3

***校長式辞***

 学校を取り巻く桜の花が咲き誇っています。暖冬と予想された今年の冬は、大型コンピュータが発達し、AIが急成長する現代でも、多くの予想とは異なり2月以降低温が続きました。この桜は、その中で春をじっと待ち構え、ここぞとばかりに咲き、みなさんの入学を暖かく歓迎しているように思われます。

 この佳き日に、本校卒業生会 瓶陵会会長 臼井 泉(うすい いずみ)様、本校PTA会長 森山 康仙(もりやま やすのり) 様 はじめご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、大田高等学校入学式を挙行できますこと、高い席からではありますが、心からお礼申し上げます。

 本日入学を許可した113名の新入生の皆さん、入学おめでとう。私たち大田高校教職員一同、在校生とともにみなさんを心から歓迎いたします。

 大田高校は、大正10年(1921年)に県内四番目の旧制中学校として開校し、創立より100年以上の月日を重ねてきました。戦後新制高校になってからは「ダイコウ」の名で親しまれ、これまで2万7千人を越える卒業生が、国内外で活躍されています。また、数年前からは教育の全体像であるグランドデザインを定め、「地域とともに未来を切り開く生徒を育てる」という学校像に向かい、様々な教育活動を展開しています。

 新入生の皆さんは、長く先輩たちが作り上げて来られた伝統を生かし、新たなグランドデザインのもとで、後ろに座っている2、3年生とともに、思う存分ダイコウライフを繰り広げて欲しいと思います。

 さて、皆さんが、本校で高校生活をスタートするにあたり、私から提案したいことがあります。

 人類は古来、多くの「探検」をしてきました、未知の世界を自分で既知のものにするという営みを繰り返し、その成果を、言葉にし、文字に残し、ときには地図に表し、周囲の人や子孫に伝えることで、文化、文明を発達させてきました。その探検の対象は地球上だけでなく、宇宙空間や人体の中、心の中にも至ります。「探検」が人類を動かしてきたのです。

 そこで、みなさんには、大田高校で二つの 「ち」の探検 をしませんか。という提案をしたいと思います。

 まず,一つ目の「ち」の探検。

 それは地球の地、地域の地、の字で表される「地」の探検です。

 学校のあるこの大田市には世界遺産、日本遺産、国立公園があり、歴史、文化、自然が満ちあふれています。そしてこの大田高校には市内、市外、県外から集まった新しい仲間や先輩がいます。様々な場所を実際に一緒に自分たちで見て歩いて感じてください。そして多くの人、物、事に遭遇しましょう。地方に住んでいると「ここには何もない」という人によく出会います。でも、本当は何もないのではなく、何があるか知らないだけなのかもしれません。いろいろな視点で地域を探検することで、新たな魅力や課題に気づき、自分が学ぶ意味や果たすべき役割に気づくはずです。

 また、地盤とか地固めという言葉があるように、「地」という字には、基礎・基本の意味も含まれます。教科・科目や部活動での基礎の部分をしっかり探り、検討することで、1年生のときには高校3年間の基礎を固め、さらに高校3年間で将来の基礎を固める。大田高校で人生の地固めをして欲しいと願っています。

 そして、二つ目の「ち」の探検。

 それは知識の知、知恵の知、の字で表される「知」の探検です。

 新しい友人・先生を知る。新しい教科・科目を知る。そこから高校生活は始まりますが、ただうわべだけをなぞるように知った気になるのではなく、探検をするように対話や活動を繰り返し、リアルの世界でお互いにわかり合える友や先生、また、宝物のような大好きな科目に出会って欲しいと思います。

 また、教科書やスポーツのルールブック、芸術の教本をはじめ、多くの本・書籍は人類の「知」の結晶です。大田高校には立派な図書室もあります。教科書や本の中への探検、言い換えれば「のめり込んで」欲しいと思います。その中には自分の将来に繋がる「知」があるはずです。そしてそれらをさらに探って究める「探究」に発展させて欲しいと思います。

 さて、こうした探検の原動力は何でしょうか?

 それは人間の持つ「好奇心」です。

 筑波大学准教授でテレビなどでも活躍の落合陽一氏は、その著書や自らのYoutube番組などで、AIが普及する未来に人間にしかない能力、人間が鍛えるべき能力は「好奇心」であると、名言されています。

 そして「好奇心」の源は鳥肌が出るぐらい「おもしろい」と感じることでしょう。「おもしろい」と思うことから好奇心が生まれ、探検、探究をし、新たな発見をして、人に伝える。これが、「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる不確実で複雑な時代に、皆さんの、そして私たちの進むべき道だと思います。

 しかし、探検の道は、分かれ道も多く、迷いそうなときもあるはずです。また、常に安全とは限りません。そのときには遠慮せず立ち止まり、この大田高校の仲間や先輩、先生方、保護者の皆様、地域の皆様の力も借りて一緒に乗り越えていきましょう。私たちは、皆さんを全力で応援していきます。

 保護者の皆様、あらためてお子様のご入学おめでとうございます。お子様をはぐくみ成長を支援していくためには、ご家庭と学校が密に連携し、協力することが大切です。どうか、大田高校の教育方針・グランドデザインにご理解を賜り、「地域とともに未来を切り開く」ことができるようにお子様が成長していく過程を、温かく見守り、励ましの言葉をかけていただきたいと思います。学校もご家庭や地域の皆様のご理解が賜れるよう、開かれた学校づくりを推進して参りたいと思います。よろしく、ご協力とご支援賜りますようお願い申し上げます。

 最後になりますが、本日、晴れて入学式を迎えられた新入生の皆さんの夢の実現に向かって、今日この場所から「地(知)の探検」の日々が始まることを心から期待して、式辞といたします。

 

 令和6年4月9日

島根県立大田高等学校  

 校長 阿部 志朗

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