令和5年度入学式 

2023年04月12日

4月11日(火)、暖かく穏やかな春の陽気の中、令和5年度入学式が行われました。

127名の新入生は、少し緊張した面持ちのひともいましたが、それぞれに希望に満ちた良い表情で、新しい高校生活をスタートしました。

今年度は、3年ぶりに来賓のみなさまにも御参列いただき、保護者の皆様、在校生新2,3年生、教職員と揃って新1年生を祝福・激励することができました。

新入生のみなさんの高校生活が充実したものになるよう、職員一同しっかりとサポートしていきたいと思います。

一緒に頑張りましょう!

入場 校長式辞 宣誓

新入生入場            校長 式辞            入学者宣誓

PTA会長2 担任紹介2

PTA会長様お祝いの言葉        1年生担任・副担任紹介

歓迎の言葉  新入生代表挨拶

在校生代表 歓迎の言葉         新入生代表挨拶

吹奏楽部 さくら

式典に花を添える吹奏楽部        一足先に満開を迎えた桜

**校長式辞**
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“尊敬する皆様、新入生の皆さん、ご家族の皆様、そして教職員の皆さん、本日は本学の入学式にお集まりいただき、誠にありがとうございます。
 まずは、新入生の皆さんにお祝いの言葉を申し上げたいと思います。皆さんがこの学校を選んでくれたこと、そして入学を決意してくれたことに、心より感謝しています。
 この学校は、長年にわたって多くの人材を輩出してきました。皆さんには、その伝統と歴史を継承していく大きな役割があります。そして、私たち教職員も、皆さんが抱く将来への夢や目標をサポートし、共に成長していけるよう全力で取り組んでまいります。
 また、今日から新たな門出を迎える皆さんのご家族の方々にも、お祝いの言葉を申し上げたいと思います。これまでのご支援とご協力に心から感謝しております。引き続き、皆さんの成長を見守り、応援していただけますようお願い申し上げます。”
----------------------------- (以上、https://chat.openai.com/)


 さて、新入生の皆さん、ここまでのスピーチに何か違和感がありませんでしたか?在校生の皆さん、保護者の皆様、教職員の皆さん、来賓の皆様方もいかがだったでしょうか?少し不自然に感じた方、特に違和感がなかった方、様々だと思われます。
 実は冒頭の挨拶は、今話題のAI(人工知能)を使った対話形式のチャットサービス「Chat GPT」で、一週間前に私が「高校の入学式の校長挨拶を考えて」と入力して、数秒後に表示された文章を読み上げたものです。敬語の使い方や主語・述語のつじつまなど、少しおかしいところがある文章ですが、当たり外れのない文章が瞬時に表示されることには驚きを隠せません。このようなサービスが登場することを10年前、5年前、いや1年前にどれだけの人が予想していたでしょう。
 このような現代は、「変動性 Volatility」「不確実性 Uncertainty」「複雑性 Complexity」「曖昧性 Ambiguity」の頭文字をとって「VUCA(ブーカ)」の時代といわれています。このような時代の中で皆さんはこの大田高校で何を学び、何をつかんでいったらいいのでしょうか。
 大切なことを2つお話しします。
 まず、教科、科目の学習にきちんと向き合い、真摯に取り組みましょう。
 先ほどのChatGPTのような新しいものが登場すると、そのような、新しいものだけを勉強しよう、勉強させようという風潮になりがちです。でも開発者たちは新しい技術だけを勉強して、あのようなものが開発できたでしょうか? おそらくコンピュータの技術だけではなく、文法、文学、政治・経済・科学など様々な知識がないと、このようなものは生まれなかったはずです。高校での学習内容は保健体育、家庭科、芸術なとも含め、教科科目を問わず、これまでの人類が長い間、苦労・失敗、工夫を繰り返し培った英知のエッセンスが詰まっています。それらは新しいものを作り出す際の土台となります。文系・理系という狭い枠にとらわれず、何でもできるだけたくさん吸収して、「ChatGPT」より早く、より良い答えが導き出せるような、確かな学力をつけましょう。
 次に、地域の中で学ぶ、という姿勢・考え方を身につけましょう。
 地域には多くの人、大人がいます。先ほどのスピーチを「おや?」と思われたのは、来賓の方々や保護者の皆様の方がきっと多かったはずです。それは日常生活で、批判的に物事を見つめる目や、多くの人と対話することで身についた 時と場 に応じた表現などの経験値があるからです。大田高校ではいま、地域の課題を見つけ解決していく課題解決学習の様々な仕掛けを行っています。これは、皆さん一人一人の学習と行動とをつなぐ経験値を増やす試みです。きっと、自分自身の未来、地域の未来を切り開く力となるはずです。
 さて、新入生の皆さん。「賽は投げられ」ました。これから進む高校生活には様々な困難も待ち構えています。高くそびえる「三瓶(みかめ)の名山」を乗り越えたと思っても、背後にはさらに高い山がいくつもあります。でも恐れることはありません。大田高校での学びこそが皆さんの未来への道しるべです。
 長く耐えてきたコロナ禍も収束に向かっています。明るく、元気に、前向きに、一歩一歩高みを目指して進んでいきましょう。
 以上、式辞といたします。

令和5年4月11日
島根県立大田高等学校長 
阿 部 志 朗   

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